彫刻 感想

【創作活動、復活。】粘土で胸像(人間)を作ろう!彫刻セミナー・一般クラスに参加しました!

2022年4月20日

デジチン

先日、片桐先生の彫刻セミナーに参加してきたので、その内容を書きます!

 

この記事がおすすめな人

・「彫刻セミナー」に参加しようか迷ってる人

・3DCG、粘土造形、イラスト...…創作活動が最近辛くなってきた人

彫刻セミナーって何?

ハリウッドで活躍する片桐裕司氏が開催する、粘土造形が学べるセミナーです。

3日間、NSP粘土とガッツリ格闘しつつ、片桐先生によるレクチャーや実演(生徒の無茶振りにも余裕で対応!)、個別指導と盛りだくさんな内容。

作る力ももちろん向上しますが、「なぜ人はスキだったはずの創作が辛くなり、筆を折ってしまうのか?」という、マインド的な内容も含まれています。

※個人的には、思い切り筆を折り、10年間創作活動が止まった期間があるので、心に響く内容でした。

 

公式サイト

また片桐先生は粘土造形に関する本も出版されてます。

「アナトミー」とある通り、解剖学的なアプローチで、粘土が徐々に人間や動物になっていく流れは圧巻です!

デジチン

今は人間に集中してますが、いつかは動物…ゆくゆくはドラゴンに挑戦したいですね~

 

参加したきっかけ(動機)

私は紆余曲折を経て
「自分でキャラクターのコンセプト(絵)を考え、造形し、3Dプリンターで出力して、塗装して、撮影したら、楽しいのではないか!?

ということに今年の年明けに気が付きました。(ジョブスのコネクティングドッツ的な感じですね)

そのようなわけで、3Dソフト(ZBrush,Blender,NomadSclupt)を触りだしたのですが……「ソフトの使い方を覚える前に、手を動かしてリアル造形物を作りたい」と思いました。

ただ、いかんせん手を動かして形を作るなんて、
最後にやったのいつだっけ?レベルだったので、学べるところはあるのかな?と思ったわけです。

調べたところ、候補はあって、

  • フィギュア造形専門の学校 → そのような教育機関が!でも自分がやりたいことに対してヘヴィーすぎる。
  • 3DCGの学校 → 興味ある!が、主にやりたいのはモデリングで、動画・アニメーションまで対象とすると多分挫折する。(というか大昔に実は全部やろうとして挫折した事がある)
  • デッサン教室 → 観察眼は養われるかも。だが作りたいのは立体物だ。
  • カルチャーセンター的なところ → 陶芸教室になりがち。そもそもコロナ禍で開催されてない。

…と、色々考えて「キャラクターの彫刻・造形を教えてくれるところなんて無いのか」と思っていたら、あったんですよ。

が!

そして、公式サイトの内容を読み

デジチン

あ、面白そう!(楽しそう!)

と一般クラスの予約をしたのでした。

(数日後にはキャンセル待ちになっていたので、ギリギリセーフでしたね。)

【メモ】どんな人が参加しているの?

自分の参加した時は、「ゲーム会社のモデラーさん」「フィギュア造形師さん」など、本職クリエイターの方が多かったです。
※「とんでもないところに来てしまった」と若干ビビリました。

皆さま、参加された方の口コミやTwitterで彫刻セミナーを知り、参加されてるとのこと。

ただ、普段はもっと様々な業界の方が参加されているそうです(自分のように「楽しそう!」で参加した人含め。)
なので皆さま、どうかビビらず安心してご参加ください!

初日と最終日の作品比較!

さて、早速ですが私が作った作品をご紹介します!

テーマ「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド2のゼルダ姫 + 超有名ハリウッド西洋人女優」を合成したもの!

デジチン

ブレワイ(BotW)はトゥーン調かつデフォルメの効いたキャラ造形のゲームですが、
事前課題(お題)を考慮したした結果、この構成となりました。

1日目冒頭人っぽい何か。
2日目かなり人間に近づいてきましたが、バランスがおかしいのでこの後左側を作り直しました!
3日目後半BECOME HUMANしました!

初日の抽象的な物体から、よくここまで持ってこれたね……

デジハム君

作る技術の前に必要な、知識の話

なぜその人はそんな表情・行動をしているんだろう?

今回の作品作りでは「技術だけでなく、知識が大事である」事を改めて学びました。

例えば初日に、生徒の無茶振りを聞いた上で、リアルタイム彫刻を見せていただけます。

こののっぺらぼうが(いや、この時点ですでに人っぽい感じですが)、先生の手にかかると、わずか40分ほどで...

人間になる!!(become human!!)

このときは「西洋人」「女の子」といった属性だけじゃくて、この子はどんな意図でこの表情をしているんだろう?

友達に変顔をして、笑わせようとしてる」という意図の結果、このような造形ができていく……

また別の例では

「おいコラ、金だせや!」とカツアゲしてる側と…

「ちくしょう…お金ぜんぶ取られた…くやしい…」というカツアゲされた側…

この両方の像を、解説を交えつつリアルタイムで作られていきます

デジチン

リアルタイムに像が作られていき、片桐先生のワンポイントアドバイス(及びジョーク)が入ってくるので、常にメモをとりっぱなしでした!

この時、どうしても作られて行く過程に目が行きがちなのですが…

  • 「なぜこの人は喜んでる?悲しんでる?威嚇している?」
  • 「威嚇(カツアゲ)にもいろんなやり方があるよね?この人はどんなやり方をしている?それはなぜ?」

といった、まず行動の理由・意図があり、その結果、それがポーズや表情にあらわれる事を学ぶことができます。

普段なんとなくで見過ごしてしまったり、あるいは「怒ってる人ってこんな顔だよなー」でイメージで作ってしまったり。

この「なんとなくイメージで作ってしまう」というのが非常にやっかいです。

考えて作ってる?(手を動かしているだけになってない?

例えば、今回自分は胸像を作りましたが「目とか鼻とか、だいたいこのへん!口は線一本引けばそれっぽくなるね!」

と、ノリノリで作った結果「謎の人間っぽい何か」を生み出してしまいました。

それは頭の中にある「人間ってだいたいこんな形だよね」としたふわっとしたイメージを具体化させた結果であり、
もっというと対象をよく見ず、考えずに作った結果だったと思います。

なので初日の後半は、資料を見まくり、片桐先生がリアルタイムで作った像を観察しまくり……脳内妄想で作らないように意識を変えました。

そのおかげか、2日目以降、徐々に作品が人間の形になっていきました。

これは「対象をよく観察して、資料もよく見て、考えてから手を動かさないと適当な形になってしまうよ」という知識が私にインストールされ、それを気をつけながら行動した(技術を使った)結果かなと考えています。

デジチン

余談ですが、初日に私が用意した資料は写真が小さすぎて、片桐先生に「明日はもっと大きい資料を持ってくること!」
と「それまではこれを参考に。」と手渡された資料が……自分が作ろうとしてた”某ハリウッド有名女優のライブマスク”

私は「え!ご本人!?」となり、先生は「本人からとったよ」とニヤリ。改めてすごいところに来てしまったと思った次第…

 

大事な「ココロ」のお話

作るための技術、そのための知識。

これらが得られるだけでも大収穫ですが…

個人的には「技術と知識は上達に不可欠だが、それだけではいつか作れなくなる。」という
片桐先生が実際にこの仕事をやめようと本気で思った時の話が、非常に刺さりました。

この話は、彫刻セミナーのブログnote、そしてKindle(クリエイターとして生きる: 壁を越えるために、自信を持つために)でも読む事が可能です。

デジチン

私の個人的な解釈にはなりますが…

仕事として日々淡々と作っていくと、たとえそれが「好きではじめたこと」であっても、
いつの間にか「自分が何をしたくてこの仕事を始めたのか」忘れてしまい、徐々に苦痛になってしまう。

「楽しい、好きだ」から始めたことだったのに、いつの間にか
「あのスキルが足りない、この知識が足りない、もっと成長するためには○○でなければならない…」という
義務感でがんじがらめになり、ついには創作活動をやめてしまうことになる。

それを回避するためには、自分の「これが好きだ!作りたいんだ!」を思い出して作ることが必要になると理解しました。

その他にも、「好きで始めて、楽しくて行っていたはずの活動が、いつしか苦痛に変わり、最終的にやめてしまうのか?)」という、
絵でも写真でも造形でも、何なら創作活動以外の事にも繋がる、大事な「ココロ」のお話を伺えたのは、本当に良かったと思います。

まとめ・・・というかその後

知識と技術、そしてそれの根っこ…創作力(作りてぇ!)の源泉「ココロ」まで踏み込んで、
3日間集中して学べる、彫刻セミナー(一般コース)はそんなステキな場所でした。

休憩時間などに雑談したり(映画好きが多い!)、懇親会でお話していろんな方と繋がりを持てたり…

何より・・・

  1. 「自分、まず第一作が作れたじゃん!」(結構大きいので部屋に飾ると毎日目に入る笑) という自信から…
  2. 「でも本業の後だと疲てたり、忙しくて時間取れない事が多いんだよな…」 という、いつもの日常への引き戻しを…
  3. 「やっぱり〇〇作りたい」と、まずは作りたいもの作って、
  4. 「ついでにTwitterに作ったものあげとこ!」と、人目にさらす、情報発信する

という、創作のポジティブなサイクルにはいる事ができました!

デジチン

昔だったら「それ他の人のほうが上手く作ってるよ?」という自分の声に負けたり
「そのレベルで人に見せるの?恥ずかしくないの?」と自分の声に負けたり
「はい、楽しい時間はもう終わり。忙しい本業に戻ろうね」という自分の声に負けてましたが

「いいや、第一作を粘土で作り上げたじゃん。」
「活動時間がない?○○をウマくやって時間作ろう。」
「自分の作ったものが恥ずかしい?まずは”つくって楽しい”、を最優先しよう。」

…と、きちんと自分に説明することができています。

「なぜ好きだったはずの創作活動がダメになるんだろう?」をきちんとハラオチさせた上で、
「でも一作、助けを借りながらも作れたじゃない?」と実績(初心)を見れる状態になった事が、
今も楽しく継続できてる鍵なんじゃないかな、と考えています。

今後は経験者セミナーなどに参加しつつ、練習会にも参加しつつ、少しづつ技術と知識をつけて、
かつ定期的に「ココロ」の状態を確認して、今後も楽しくモノを作っていこうと思います。

ここまで読んでいいただき、ありがとうございました!

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