創作活動

【デジタル造形 超入門】「最初の一歩」と「壁」の乗り越え方

デジチン

この記事では、以下のような方を想定して書きました。

  • 「好きなキャラクターを立体で作りたい!でも、何から手を付ければいいのか、全くわからない!」
  • 「デジタル造形にチャレンジしてみたい! でもアプリや機材をどう考えていけばよいかわからない。。。」

はじめに。奥深くも楽しい世界、デジタル造形にようこそ!

デジタル造形・彫刻とは、ざっくりいうと「パソコンやスマホ・iPad上にある、デジタル粘土をこねて形を作っていくこと」です。

出来上がった作品をアニメーションやゲーム、VRに使ったり、
フィギュア原型として3Dプリントし、オリジナルフィギュアを作成することもできます。

このブログではNomadSculptやZBrush, 3Dプリンタを使ったフィギュアづくりをメインに紹介・解説を行っています。

超初心者が最初に陥りそうな壁。「何をすればいいかわからない」を乗り越える。

さて、最近以下のようなご相談を受けることがあります。 (ご質問ありがとうございます!)

「完全初心者です。
美少女フィギュアを作りたいのですが、どんなアプリがいいですか?
まだスマホしか持っていないのですが......」

デジハム君

ここで「無料だからBlender!」とか「フィギュアだからZBrush!」という伝え方もできますが、

具体的な話をする前に、一旦立ち止まって考えることが重要なのでは?と思っていたりもします。

最初の一歩を後押しするには、良い回答ではあるものの。。。。

もちろん「本当に良くわからないからオススメを教えて!」という人には、

第一歩を踏み出す意味で、特定ソフト・アプリ・デバイスを推すのはアリだと思います。

「鉄は熱いうちに打て」というコトワザもありますし、そうでないと

「何をすれば良いかわからない……やめておこう。」となってしまう場合があるからです。

それに自分も

デジチン

「NomadSculptいいよ!iPad持っていたら、ぜひ入れて遊んでほしい!」

といってる人なので笑 (もちろん色々試して、それなりな理由ももちろんありますが!)

フラットに考え直すと、どうだろう?

ただ、最初の質問された方が、超初心者で周りに聞く人がいない場合に

割とフラットな立場だったら何をどうオススメするだろう?と思って、色々気づきがあったので書いたのがこの記事です。

※元々は目的別、予算別、学習リソース別等、様々な観点での説明を考えていました。

.....が、ちょっと収集つかないレベルの情報量になったので、今回のタイトルのような切り口にしました。

最終的には様々なやり方を覚える事になるが、まずは最初の取っ掛かりが必要。

「なにかを作りたいが、何から手を出せばいいかわからない」という方が、

「作りたいものを作れるようになった!次は何をしようかな?になるまで、何層かの壁があると思っています。

そして、やっている途中で「自分、実は◯◯したかったのかも?」と気づくものだと思います。

3Dプリンターで自分の作品を、データではなくモノとして手にしたい!とか

映像作品やゲームでグリグリ動かしたい!とか。

色々、次の欲がでてきます!

デジハム君

なので、あまり何か1つのアプリやソフト・デバイスに依存する形で書かないほうがいいとも思っています。

(このブログは特定企業から援助を受けていたりしませんので、その点はご安心ください!)

3DCG系ソフトやアプリは得手不得手が意外と分かれているので、最終的にはいろんなデバイス、ソフトやアプリを組み合わせて使うことになりますしね。

ただ、まずは最初の一歩を踏み出さないと行けない。そのための考え方をご紹介します。

超初心者を襲う、「2つのわからない」の壁って?

よく、教える側の「目的意識や、最終的に何を作りたいかわからないと説明のしようがない」といったお話を聞きます。

気持ちはわかる反面、ゼロから「これから創作活動をはじめます」という人が「自分の場合は◯◯をしたい。△△のデバイスを持ってるから。この最終的な作風から逆算し、だからアプリ・ソフトの学習を開始する」と明確イメージできるケースは少ないんじゃないかなぁ。

デジチン

なんというか、堅苦しい。

逆算して考えるヤツは、仕事だったら必須かもしれないけど、

「楽しみながら上達する」という、学び始めの喜びをわざわざ台無しにする必要はないと思うのです。

自分も創作活動に関するメディアを運営しているので、せっかく始めたなら楽しんでもらいたいし、長く継続していると徐々に上達してほしい。この喜びが伝われば良いなぁと思って活動しています。

だから、「なんだか上手くならない、自分には難しすぎるんだ、もうやめよう」となったら悲しいし、そうなっちゃう理由とか、対策を考えています。

「自分には難しすぎる」とはなんだろう?

この「自分には難しすぎる」ってなんだろうと考えていました。

色々要因はあるのですが、以下2つはあるんじゃないかと推測しています。

  • その1: 「この"ソフト・アプリ、全体的に意味不明すぎる"」
  • その2: 「自分が作りたい理想とも違う気がする」

"ソフト・アプリ、全体的に意味不明すぎる" 問題。

これは、書籍なり動画なり、体系的なチュートリアルがあり、それに取り組む過程で少しづつ解消されていきます。

特に3DCGはある程度のお作法や手順という物があり「これは◯◯ソフトでいうところのXX機能かな?」と考えられる様になったら一気に理解が進みます。

使い方、作り方(英語でいうとHowの部分)のお話とも捉えることができます。

チュートリアルをいろいろこなしていくうちに、徐々に、

  • 「あぁ、自分が作りたいものを作れる様になってきた!!」

となり乗り越えられます。

デジチン

このブログの中でもNomadSculptを中心に、ForgerやBlenderのチュートリアルを作成しています。

なので超初心者の場合、チュートリアル等の学習教材(できれば日本語)が確保できる、あり場所を知れれば、「自分には難しすぎる、もう諦めよう」は回避できるようになります。

"自分が作りたい理想とも違う気がする"問題。

実は、こちらの方が厄介な問題だったりします。

明確な「私は◯◯のキャラクターが作りたい!」 「美少女フィギュアを作りたい!」 「メカを作りたい!!」

という強い動機がある場合、実はこの記事を読まず「気がついたらソフト・アプリをインストールして操作していた!!」となっている可能性が高いからです。

とはいえ、頭の中にある理想像と、実際に作れるものは、とんでもない乖離が発生します。......特に最初の方は。

例えばあなたが初めてiPadのNomadSculptを触ったとしましょう。

デジチン

「よし、スゴイかわいい小動物」を作るぞ!

とやる気に満ちて取り掛かり、数十分後。。。。

このようなクリーチャーが生まれます。

え、僕!?

デジハム君

このような失敗を繰り返して、徐々に形が作れるようになり、自分の作りたいものを作れる様になっていくのですが

「自分が作りたいものはこんなものじゃない......自分にはセンスがない.....やめよう.....となると、これも本当にもったいない!!

最初はみんな、こういうところから始まるのです。 なのでどうか凹まないでください。

※よく聞く話で「Blenderを初めて触りました!」といって、X(Twitter)で超絶クオリティ作品をアップされる方がいますが、

よく見てみる、お話を聞いてみると実は、長年に渡るイラスト技術の研鑽、物理粘土の作品作り等、どこかで修行を行われている場合が多かったりします。

もし今まで創作活動をしていなくて、これからやるんだ!! という方は、凹み対策の為に覚えておいていただけると良いかなと。

このケースの対応方法は、自分が作りたいと思っている作品の工程が載っているチュートリアルやデモ動画(タイムラプス)等を見ることです。

作風が好きな造形作家の画集には、メイキングがはいっていることも多いので書籍から学ぶのも有効な手段です。

一通り見てみて

  • 「なるほど、動物とか人間の体の比率(=プロポーション)ってある程度決まっているのだな」とか
  • 「リアル人間と、フィギュアの顔って、こういう差があるんだな(デフォルメの話)」とか

少しづつ学びが深まって、徐々に自分のイメージを持てて、やり方とセットで、理想像に近づいて行くことができます。

デジチン

ソフトウェアやアプリの使い方といった「How」の部分、

自分が作りたいもの(動物・美少女・メカ)といった何を作るか「What」の部分。

そもそも「なんで自分がそれを好きで、作ろうとしているのか」.....「Why」の部分。

おそらく皆、Whyは暗黙のうちでも持っていて、HowとWhatの部分がうまく行かなくて挫折してしまうのではと考えています。

Whyの部分は一番重要ではありますが、これはまた別の機会に書いてみようと思います!

ちなみに、筆者の場合は1年ほどNomadSculptを触っていたら、以下の作例の様になっていました。

これも小動物じゃなくてクリーチャーでは?

デジハム君

これはNomadSculpt(アプリの使い方:How)に慣れたからという点も大きいのですし、

動物の造形(何を?というWhat)という知識が入った面も大きいです。

あとは銃を持たせたり極悪な顔にしたい、という意思・偏愛(WHY)がはいっています。

まとめ

今回のお話をまとめると以下のようになります。

  • 超初心者が挫折する「壁」が2つ存在する。
  • 1つ目の「操作方法がわからない」等は、良いチュートリアルや解説情報で乗り越えることができる。=Howの話。
  • 2つ目は「自分が作りたい物が作れない」は、自分の好きな作風の人を見つけて、制作手順やタイムラプス動画などを見てみる。 =Whatの話。
  • 最後に......自分がなんでそれをやり始めたか、心は大事にしたほうがいい=Whyの話。

今回は考え方の話に比重が傾いてしまったので、次回は具体的なアプリやデバイスの考え方を書いていきます!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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