最近、楽しかったはずの造形(創作活動)の手が全然進まないんです......
それ、頭の中がだいぶ「ややこしくなっている」のではないか??
目次
ややこしくない創作活動ってなんだろう?
好きで楽しんでやっているはずの、創作活動。
しかしながら、たまに創作活動を行う際、「なんともいえない、ややこしさ」を感じる時があります。
端的に言えば、「話を自分自身ででややこしくしまっていて、本当はやりたいことに最初に飛びついていれば問題なかったのに」というケースです。。。
とんでもなく感覚的な話をすると、脳みそ(思考)だけで考えすぎる時にありがちで、
手(というか体の感覚)がどっか行ってる時に起きがちです。
新しい技術を取り入れたり、複雑なプロジェクトに挑戦したりすると、時には手が止まってしまい、思考がぐるぐる巡って前に進めなくなることもあります。
そんなとき、どうすれば創作活動を「ややこしくなく」、もっとシンプルで楽しいものにできるのでしょうか?(未だに答えは出ていませんが!)
今回は、私自身の経験をもとに、「ややこしくない創作活動」について考えてみたいと思います。
ちなみに「創作活動がややこしい」という概念のインスパイア本は以下の本です
絵の描き方の本だけど、なかなかなるほどなあと思ったり。
創作がややこしく感じるときの要因
創作活動において、ややこしさを感じる要因はいくつかあります。
私の場合、特に新しい技術や手法、モチーフを取り入れようとする時に、ややこしさを感じます。
例えば自分の場合、3Dモデリングを行う時。フルデジタルで顔を作ることに苦手意識があり、特に微妙な凹凸を再現するのが難しいと感じます。
「うーん、うまくいかない…」
さらに、どういう手順で、何のツールを使って、ここでこの処理をしないと後で面倒…などをやっていくと、どんどん「ややこしく」なっていきます
このような課題に直面すると、どうしても創作が複雑に感じられ、気が重くなってしまいます。
さらに、プロジェクトが大規模になるほど、考えることが増え、手が動かなくなってしまうことも。
人間の全身像を作履たい!となった時などは、頭から足先まで全てのパーツを細かく作り込む必要があり、「ポーズどうしようかな」「分割どうしようかな」など、その過程で色んなことを決めていく必要あります。
これが「ややこしさ」を生む大きな要因の一つです。
ややこしい状態が続くと、最終的にしばらく作れなくなるので、これはなかなか大変な問題です。
「創作活動がややこしい」ってなんだろう?
多分、「ややこしい」状態のとき、脳みそは考え事でいっぱいになっているのです。
それは作り方だったり、一生懸命覚えた知識かもしれないし、もしかすると人間関係の問題なのかもしれません。
そんなややこしい時、きっと脳みそは、パソコンで言う所のCPUブン回ったままフリーズ、
はたまたメモリが一杯で極重な状態で、とても何かを作れる状態じゃないのかも。
本当な言語化するなり、ビジュアル化なり、一度脳みその外にだしてスペースをあける必要がありますが、これがなかなか気がつけない。。。
「この記事書いているのも、”ややこしくなって動けなくなる”をなんとかしたいという側面もあります」
なんとかしたいなあ、と思った時に、どんな方法があるかと考えて、まとめたのが以下に書いたやりかたです。
心理的ハードルを下げる、考え方。
まず重要になるのが「心理的ハードルを下げる」ことです。
創作がややこしくなる原因の一つは、自分自身に課す期待やプレッシャーです。
(本当はアレ作りたいけど、能力が追いつかない的な)
完璧を求めすぎると、逆に手が動かなくなってしまうことがあります。
時間を区切ってやる。
ではどうするか、1つの考え方としては最初に使える時間を決めてしまうこと。
つまり短時間でアイデアを形にする、というアプローチがあります。
例えば、2〜3時間で人体を作る「クイックフィギュア」という考え方。
これの元ネタは粘土造形で教えていただいたもので、練習方法は、限られた時間で大まかな形を捉えフィギュアを作ることを目的としています。
これにより、細部にこだわらずに全体の形を捉えることができ、心理的なプレッシャーを軽減することができます。短い時間で何かを作り上げるという制約があることで、考えすぎずに手を動かすことができるようになります。
「残り30分でできることは…これかな?」的な割り切りで、手が動いていきます。
超丁寧な1作より、たくさん作ってそのたびに学びを得た方が、最終的にいいモノ作れる、というお話を聞いたことがあります。
あえて、やり方に制限を設ける
また、創作活動をシンプルに保つためには、あえてツールや素材を限定することも有効です。
私はNomadSculptもZBrushも、たまにBlenderやその他デジタルツールも使います。
デバイスもiPadだったり、パソコンだったりして、
この時点ですでにややこしくなってるのかもしれません。
そんなわけで、「今日はこのブラシだけを使ってみよう」や「思い切って粘土で作るかぁ」といった制約を自分に課すことがあります。
これにより、選択肢が絞られ、どのツールを使うべきかと悩む時間が減り、作業に集中しやすくなります。
※思い返すと、イラストを描く時も大量にあるブラシが苦手で「真四角・不透明・Ctrl+Zしない、どんどん塗り足す」ルールでだいぶ気持ちが楽になった記憶があります。
何の話かは忘れましたが、人は朝起きた時から「選択するとMPが減る」らしいです。なので多すぎる選択肢はかえって毒なのです、たぶん。
※もちろん意図的になにかを習得するときには、頑張る必要がありますが。
「たしか行動経済学の話。」
さらに、(自分的には)大作を完成させるというプレッシャーから解放されるために、「この作品はあくまで試作だ」「大作の前に作る試作品、マケットだ」と自分に言い聞かせることもあります
特に、3Dモデリングや彫刻では、一度にすべてを完璧に作り上げるのではなく、プロトタイプを何度も作り直しながら進めることが、気軽に取り組めるという意味で重要なのかも。
こうしたアプローチを取ることで、創作の自由度が高まり、結果的により良い作品が生まれることがあります。
「なんだろうね、大作も作りたいけど、自分の喜びゲージも満たさないと先に進めない難しさがあるよね」
小さく刻んで、成功体験を積み重ねる
創作活動をややこしくしないためには、小さな成功体験を積み重ねることも大切です。
なんというか、仕事のお話というか自己啓発的なノリではありますが。
大きなプロジェクトを一度に完遂しようとするのではなく、まずは小さなタスクに分解し、それを一つずつ達成していくことで、小さいけど確実な達成感を得て前進できます。
例えば、キャラクターの全身を一度に考えたり、作るのではなく、まずは小物や装備品から始めるといったアプローチ。
「要素を分解して考えていくアプローチですね」
これにより、プロジェクト全体のプレッシャーを減らし、モチベーションを維持しやすくなります。
このやり方を突き詰めると、考えることリストや、TODOリストができあがり、
それを見積もれば「今日は時間があるから、この難しい課題にチャレンジしよう!」とか
「ちょっと今日は余裕がないから、小物を作るか」とか「今日は資料をよく観察しよう」とか、
ちょっとづつ、でも確実に前に進めたりします
この小さく刻むやり方は、言語で考えるののが得意な人は、マインドマップとかアウトライナー的なもので整理するのも良さそうですし、ビジュアル優位な方は試しに絵を描いて分解してもいいかも知れません。
キャラクターにまつわる「お話」を妄想するのも、結果的に脳内で作るものの事を考えるので良いし、作品に深みが出るかもしれません。
直接造形すると手が止まりやすい方は、上記のような中間アウトプットを作ると、迷いづらくなり、ややこしさが減って、結構良いかも知れません。
「いわゆるプロジェクトマネジメントでも、小さく分解して管理する的な考え方があるので、そのノリですね」
「仕事の知識が(たまに)役に立つ好例ですね」
※この本がおすすめ
プロトタイプの価値とその活用法
プロトタイプを作ることは、創作活動において非常に有用です。
プロトタイプは本来、アイデアを短時間で可視化し、その価値を検証するために作られるものです。
例えば、粘土で試作形(マケット)を作り、それを基にデジタルでの制作を行うことで、迷いが減るのでデジタル上での作業をより効率的に進めることができます。
「ピクサーは粘土のマケットを3Dスキャンして、3Dキャラクターを作ってるんだって!」
また、プロトタイプを作ることで、「これはまだ最終形ではない」という意識を持つことができ、心理的なハードルを下げることができます。
プロトタイプは完璧である必要はありません。そのため、「失敗してもいい」という気持ちで取り組むことができ、結果として創作活動がスムーズに進むことがあります。
「これは練習ね」「これはテストね」というところから、筆がノッたら(?)完成まで進めるのもありなのが趣味の創作活動の強みだったりする。
「まぁ仕事(本業)でもプロトタイプを作って価値検証して進めることもありますしね。」
あまり詳しくは知らないのですが、絵を書く時にも、事前にエスキースという下絵(構想)を書いてから本命の作品作りに挑む、ということなので
「なんか仮で作ってたけど、うまく行ったから、これをベースに作品を作るか」といった
心持ちになれると、もっとスムースに手軽に動き出すのかもしれません。
一旦のまとめ
創作活動は、自由である反面、時には複雑さを感じることもあります(自分で好きに決めていいからね!)。
しかし、「ややこしくない創作活動」を実現するためには、まずは心理的ハードルを下げ、シンプルなアプローチに立ち戻る必要があります。
プロトタイプを作る、制限時間を設ける、ツールを限定するなどの方法を取り入れることで、創作の楽しさを再発見し、より気軽に新しい作品に取り組むことができるでしょう。
「気軽さって、まじで大事かも知れない」
これらのアプローチを実践しながら、自分自身にとって最も効果的な方法を見つけていくことで、「ややこしくない創作活動」を続けることができるようになるかもしれません。
創作をシンプルに楽しむことで、創作活動の本質に立ち返ることができるのではないでしょうか
すなわちプロセス自体を楽しんで没頭し、その結果としてナイスな作品を生んでしまうということです。
自分のスタイルを見つける
最後に、「ややこしくない創作活動」を追求する過程で、自分自身のスタイルを見つけることも重要です。
私の場合、以前は一つの方法にこだわりすぎてしまったり、逆に手を広げすぎてそれだけで頭がパンクしたり。
ただ、色々試したおかげて、徐々に自分に合った方法を見つけることができました。
例えば、粘土で形を作ってからデジタルで仕上げるという手法や、時間を決めて一気に作り上げる方法などです。
まだまだスタイルが確立しているとは言い難いですが、創作活動がより楽しく、やりがいのあるものになりました。
楽しんで学ぶクリエイティブなプロセス
創作活動は、時には複雑で厄介に感じることもあります。
とはいえ、そのぐちゃぐちゃカオスの中に、クリエイティブな喜びが隠されています。
自分のスタイルを見つけ出し、それを追求していくことで、創作のプロセスを再び新鮮に感じることができるのかもしれません。
また、創作活動を通じて得られる学びや発見も、私たちを成長させる大切な要素です。
「自分のできることの引き出しが増えるのは、嬉しいし楽しい!」
「とはいえ、やっぱり作品を作る事が大事なのには変わりありませんが…考えすぎて動けなくなる方が問題かなぁと。」
結論
「ややこしくない創作活動」とは、シンプルに、自分が楽しめる方法で創作を続けることです。
ちょっと言い換えると「脳みそで考えすぎないで、体感覚で、プロセスを楽しんでいく活動」とも言えそうです。
ただ気をつけないと、すぐに「考えすぎて、ややこしくなります」。そうすると手が止まる悪いスパイラル…うーむ。
対策は、心理的なハードルを下げ、柔軟にアプローチを変えていくこと。
プロトタイプを使ったりして気軽に試す、制限を設けて集中する(気が向いたら完成させてもいいし、なんか微妙なら学びを得て「そこまで!」)。
こんな感じで自分に合った方法を見つけていくことが大切だと感じます。
創作の喜びを忘れずに、これからも「ややこしくない創作活動」を楽しんでいきましょう!
「思った以上にすごいボリュームになっちゃった」
「まぁ、最近”創作活動がややこしい”がずっと続いていたので、ある程度言語化して脳から切り離せたので良かったのじゃないだろうか?」
というわけで、ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
追記:「いざとなったら、なんとかするでしょ、自分。」ということを思い出す。
この記事はZBrush For iPadがでる直前くらいに書いたものなのですが(意図せず…)
案の定、「ZBrushのPC版とiPad版がうまく連携できない、どうするか、うーん…」とややこしく考え始めました。
なんでしょうね、テクノロジーの塊である3DCG、デジタルコンテンツ作成をやろうとすると定期的に発症する何かな気がする。
ただ、仕事で効率性重視、納期もタイト!みたいな状況ならまだしも、
HOBBY(※注:英語だと一定の練習時間やお金を使ってやる、それなりにマジな活動の意味になります)でやっているならば。
どこでも持ち出せて、直感的にゴリゴリ作れるiPadで作品を作り、
「やばい思ったよいいいものできてしまった!ZBrushでPCで続きを作りたいけどどうしよう!」となってしまった場合。
パーツを適度に結合して5-10個くらいにしたらOBJ形式で出力して、組み立てればいいんです。なんの問題もありません。
もっと言えば、パーツを全部1つに固めて出力して、PC上でうまーく分割してもいい。
いやそもそも。PCで作り直してしまえ!という考え方さえある。
恐らく、1番残念なパターンは、この辺を考えすぎて作品に着手できず、脳のリソースを使いすぎて疲れて作らないこと。
「物事を難しく考えすぎるクセを手放して、自分がやりたいことに最優先でとびつく心を用意しておくというか」
やりようはある、作ってから考えようという気持ちを持っておきたいですね。
とはいえ、こういうところでつまづく筆者みたいな方も少なからずいるようにも思えます。
「ややこしいなあ」と思ったら、上記のような割り切りをもって、
取り組むと良いかもしれません。なんでしょう、そういう気持ちになりやすい方、一緒に頑張っていきましょう。
いざとなったら、なんとかできるし、なんとかする。
そういう心持ちでいれば、過剰なややこしさを抱えずに、作品作りに取り組めるかもしれません!
今回もお疲れ様でした!お茶にしましょう〜
いきなり頑張っちゃうと疲れちゃうので、
ときどき休憩を入れながら、ちょっとづつ体得していきましょう〜!
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