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iPadスカルプトアプリ、出揃った!使い分けとおすすめの考え方【nomadからZBrushForiPadまで】

2024年9月13日

iPadでデジタルスカルプトをするアプリ、ここ数年でかなり充実してきました。

今年になって、ついに主要なツールがほぼ揃ったんじゃないかと感じています。

代表的なものを挙げると、NomadSculptForgerUniform、そして最近リリースされたZBrush for iPad

各アプリには独自の特徴があり、初心者からプロまでそれぞれに合ったツールが揃ったと言えるでしょう。

ここでは、それぞれのアプリの特徴や、どんなユーザーにおすすめかを解説していきたいと思います。

なお、私のスタンスとして、ツール間の対立を煽ることはしたくない、というのがあります。

どのツールにも良い点があり、創作の楽しさを最大限に引き出すための選択肢として捉えてほしいのです。

この記事を読むことで、初心者の方がスカルプトを始めるにあたっての不安を少しでも和らげられたらと思います。

デジチン

ちなみに自分も創作活動をはじめて2年ちょっとくらいですが、iPad単体でできることが相当増えたなあと感じています。映像作りたい!等のガチな3DCGをはじめるには、やっぱり良きGPU(グラボ)を積んだWindowsマシンが必要になってきますが「カタチ(フィギュア)作りたい!」という方はiPadで好きな所(体勢?)で作品づくりできるのは良い時代だなぁと感じます!

この記事でやろうとすること

ざーっとアプリの紹介をしていこうと思っています

2024年はiPadスカルプトアプリが、すごい勢いで出まくった印象があります。

自分がNomadSculptを触りしたのが2022年くらいで、それより前はForger(※MAXONに買収される前)があったと聞いています。

IPad版ZBrushはいつ出るんだ?とかみんな(と私)がざわついていた時に、2023年末に「来年のどこかでリリースするよ!」とニュースが出て、おぉ、いよいよかぁと思ったものです。

最近はカフェとか図書館に行くと、iPadを使って勉強したりする人を見かける機会が随分増えました。

ただ、たまーにお絵描きしている人がいるけど、デジタル粘土を捏ねてる人はなかなかいないので、Mottainai!と思うことも。

まぁそんなわけで、ZBrush for iPad もリリースされたことだし、「iPadで気軽に、時としてガチ造形する楽しさを伝える記事を作りたいなあ」と思った次第です。

デジチン

「デジチン工房」を見てくれる人なら知ってると思うけど、執筆者は3D業界の中の人….では全然なく、

HOBBY(英語だと、ある程度、練習時間とお金を突っ込む活動)として楽しんでいる人です

3DCGをがっつりやろうとするとハードウェアもソフトウェアも、結構いいものが必要になりますが

iPadのスカルプトならフツーのiPadでも全然動くし作りこめるので入り口としてとても良いです!

まずはNomadSculpt

NomadSculptは、iPadでデジタルスカルプトを始めたい方に一番おすすめできるアプリです。

このブログでもチュートリアル記事を載せてます!

3000円の買い切りで、日本語対応もされているという点で、非常に手が出しやすいのが特徴。

しかも、動作が軽く、シンプルなインターフェースで直感的に操作ができるので、初心者でもすぐに慣れることができます。

NomadSculptの大きな魅力は、スカルプトに必要な基本的な機能が全て揃っていることです。

後はライティング(光)や色塗りなど、最初からいい感じに設定されているのもテンション上がって良いです。

iPadを使ってデジタル造形を楽しむなら、これ一つで十分と言っても過言ではありません。

特に、NomadSculptはハイポリの造形が得意で、細かいディテールをしっかりと表現できるため、フィギュアやキャラクターのモデリングに最適です。

ただし、ローポリモデリングに対応していないという点が唯一の制約です。ローポリゴンのモデリングは、小道具やメカなどを作る時に活躍しますが、スカルプトメインのNomadSculptではそこが弱点と言えます。

しかし、これからスカルプトを始めたいという人には、この制約はそれほど大きな問題ではないかもしれません。

デジチン

また、クワッドリメッシャー(ZBrushのZリメッシャー相当。)は別途購入が必要ですが、必須機能では無いので、なぜこの機能がいるのかわかった段階で入手するのが良いかと。

ZBrushを使いだした時に、ダイナメッシュとサブディビジョンサーフェスとZリメッシャーの使い分けがよくわからなかったりしました。ちょっと知識いります。

デジハム君

ZBrush for iPad

そして最近登場したのが、ZBrush for iPad。これは言わずと知れたPC版ZBrushのiPad版です。

月額1500円のサブスクリプションでフル機能が使え、無料版もあります。

PC版の多くの機能がしっかりと搭載されていて、パワフルなスカルプト体験ができます。

(ローポリモデリングができるZModelerなど一部は非搭載。今後のアップデートで追加されそうな予感はある)

ZBrush for iPadの特徴は、なんといっても形をつくるのに特化した機能の充実ぶりです。

特に、PC版ZBrushを使っている人にとっては、「PCからiPadへのデータ受け渡しに関しては」非常にスムーズで、上手い具合に連携が可能です。

ただし、ここで一つの問題があって、ZBrush for iPadでデータをPCに送る際に、PC版のサブスクリプション契約が必要になります。

iPad版は最新のデータ形式で、PC版の永続版ライセンスだと対応できないので読み込めない、下位互換がないということのようです。

自分もiPadで出力したZPR形式、ZTL形式のファイルをZBrush2022(永続ライセンス)に読み込もとうとしましたがエラーが出ました。残念。

年間7万円近くするPC版ZBrushのサブスクリプションを持っている方でないと、データの完全な連携が難しいという制約があります。

これは、本業で3D CGを行っているクリエイター向けの仕様といえるでしょう。

とはいえPC版のとんでもなく複雑なUIを、非常にわかりやすく最適化したZBrush for iPadのUIは注目に値します。

PC版ZBrushのUIは複雑で、慣れるまでに時間がかかることが多いのですが、iPad版では非常にスッキリと整理されており、初心者でも触りやすい設計になっています。

それでも、PC版に搭載されている多くの機能がそのまま利用できるので、今後PC版のZBrushにステップアップするかも?な方には非常に有力な選択肢です。

ここまで使いやすいと書いてますが、本当にデジタル彫刻初心者の場合は各ソフトに共通する概念というかお約束の所で引っかかる可能性があるので、本や動画やWebで知識いれつつ触るのをオススメします!

デジハム君
デジチン

今は英語のみの提供ですが、日本語化される日は遠くないと思います。

ZBrush for iPadで今のところまとめているTips

基本操作は左下のホイールを触ることで発動できるようになっています。

左側のマスクはCTRL、上部のスムースはShift、下部の凹凸反転はalt、そして右端のクイックメニューはspaceで発動します。

この辺りはPC版ZBrushと同じですね。

デジタル粘土を構成する「サブツール」は右上から選ぶことができます。

「ツール > サブツール > ポリグループ」と言った慣れるまで混乱する概念は、PC版と互換性をもたせるため共通のようですね。

https://twitter.com/digi_chinchilla/status/1834438907988951120
デジチン

※各ソフト・アプリやデバイスをまたごうとすると、結構話がややこしくなりがちです。

ただ、すごい冷静に考えれば、iPadに元データはあるわけだし、5-10パーツくらいであればobj形式で一個づつ

書き出せば良いので、のびのび作れる方でもくもく作れば良いと思います!

筆者のような「ややこしく考えがち」な人がいるのもわかるので、

「iPadで気軽に作ってたら思ったよりいい物ができちゃった、PCで仕上げたい!」という状況になっても

やりようはあるよ!というお話です。これはNomadでも同じで。。。まあ先に作品作りに集中しよう、というお話です。

※それでも考えがちなのはわかります….

デジハム君

Forger:スカルプトとローポリモデリングの両立

Forgerは、スカルプトとローポリモデリングの両立を目指して設計されたアプリです。

NomadSculptやZBrush for iPadとは少し異なり、ローポリゴンの編集やモデリングも可能な点が特徴です。

UIも比較的シンプルにまとまっていますし、安価です

しかし、操作感が少し難しく、特に初心者にはハードルが高い部分もあります。

あとは学習リソースが少ないのがネックです。

Forgerは、iPad上でスカルプトとモデリングを両立させたいという方に向いていますが、UIや操作性が少し複雑なため、まずはNomadSculptやZBrush for iPadで基礎を学んでから取り組むのが良いかもしれません。

また、MAXONという会社が提供しているため、今後ZBrushとどのように連携していくかが注目されます。

デジハム君

なんとなく、ZBrushに吸収されそうな未来を感じます。

Uniform:未来的な設計思想を持つアプリ

Uniformは、非常に独自の設計思想を持つアプリで、これまでの3D CGのワークフローを見直す可能性を秘めているツールです。

私自身も購入して触ってみましたが、操作が難しい

…というより、ワークフロー自体がかなり先進的なので、初心者にはかなりハードルが高い印象を受けました。

公式サイトのチュートリアルを見るに、データの形式が特殊でワークフローが一本道でなく、かなり柔軟性が高くなるみたい

デジハム君

このアプリは、これまでのスカルプトやモデリングの概念を覆す可能性があり、非常に先進的なアプローチを取っていますが、その分、既存の知識や経験がある程度必要になります。価格も7000円と少し高めなので、初心者にはおすすめしにくい部分があります。

ただ、iPadでかなり色々な事ができるようになりそうなので、引き続き注目なアプリです。

デジチン

だ、だれかわかりやすい日本語チュートリアルを作ってください…

iPadスカルプトアプリの選び方

これまでに挙げたNomadSculpt、ZBrush for iPad、Forger、Uniformはそれぞれに特徴がありますが、最終的には自分が何を作りたいか、そしてどれくらいの機能を求めるかによって選ぶのがベストです。

私自身、これまでいくつかのアプリを試してきましたが、やはり使いやすさとコストパフォーマンスを重視するなら、NomadSculptが初心者には非常におすすめです。

**ただこれからはZBrush for iPadも有力な選択肢になります。**無料版である程度のスカルプトができ、PC版にはなりますが書籍やYoutube動画など学習リソースが豊富にあるからです。

ただし、PC版との連携を考えると、サブスクリプションのコストが問題になる場合もあるので、iPadで創作を楽しむ使い方であれば、どちらもオススメです。

デジチン

少し手間ではありますが、NomadSculptは「glTF」という形式で書き出して、無料で使えるBlender経由でZBrushにインポートすれば、パーツをバラしたまま入れられます。

また、ツールにこだわりすぎないことも重要です。どのツールを使っても、基本的なスカルプトの操作や楽しさは同じです。

まずは触ってみて、自分に合ったものを見つけることが大切です。

まとめ:楽しんで学ぶスカルプトの世界

iPadでのスカルプトアプリは、ここ数年で驚くほど進化しました。特にNomadSculptやZBrush for iPadは、それぞれの強みを活かしながら、初心者からプロまで幅広い層に対応できるツールです。

この記事を読んでくれている皆さんには、ぜひ気軽にiPadでのスカルプトを楽しんでほしいと思います。最初はどのツールを選んで良いか迷うかもしれませんが、どのアプリも使い込むほどに新しい発見があり、創作の楽しさが広がります。

「どれを選べば良いか」と迷ったら、まずはNomadSculptか無料版Zbrush for ipadを触ってみるといいかもしれません。1時間くらい触っていればなんとなく感触が掴めてくると思います。

デジチン

「このブログのNomadSculpt講座の序盤を触って貰えればだいたいのイメージがつかめるはず!」

良い時代になってきました!

その昔は10万円以上するZBrushを買って、忍者屋敷的なUIに翻弄されつつ、いろんな書籍や動画を見て「あぁ、こうやって使うのかぁ!」と理解したりしていましたが(あ、あとパソコンいりますね)、今はiPadで直感的にデジタル造形ができてしまう!

デジチン

道中でBlenderを覚えてみたり、プラグインに手をだして見たり、粘土(物理)に戻ってきたり、色々寄り道しました....

NomadSculptは昔より値上げしたとして、それでも3000円。

Zbrush for ipadもでてきて、こちらは無料版と1500円(月額)と15000円(年額)のサブスクがある。

普通のiPadでも動くし、iPad Proでも少し型落ちのものを中古で買えば全然戦えるので、

デジタル造形とか、フィギュアづくりとか、3DCGへの敷居も下がって、

創作活動として楽しめる層が更に拡大したんじゃないかと思う今日このごろです。

ぜひこの機会に、デジタル造形を楽しんでいってくださいねー!

今回もお疲れ様でした!お茶にしましょう〜

いきなり頑張っちゃうと疲れちゃうので、

ときどき休憩を入れながら、ちょっとづつ体得していきましょう〜!

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