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【NomadSculptチュートリアル:最終回】ゼロから作品を作ってみよう!【制作過程】

2023年5月1日

ガテン系チンチラエンジニア、参上!
デジチン

NomadSculpt(ノマドスカルプト)講座も今回で最終回。

最後に「作品ってどうやって作っていくんだろう?」を個人的に振り返りながらシメて行きたいと思います!

少し長めの記事ですが、最後までお付きいただければ幸いです!

チュートリアル記事をまとめページもあります!)

この記事がお役にたてそうな方

  • NomadSculptチュートリアルを読んでいただき(感謝!)基本的な使い方を知って頂いている方。
  • 機能の使い方はわかったけど「具体的にどうやって考えて進めていくんだろう?」と悩まれてる方。

はじめに。Before→Afterと、この記事について。

Twitterのヘッダー画像より。

2022年冒頭より、私はデジタル造形をスタートしました!

とはいっても、道中は「粘土彫刻面白い!」と物理粘土でカタチを作ったり「ZBrushを覚えるぞ!」と教本を回して(作品を作る前に!)燃え尽きたり

そんな時「だいたい1年前」に作ったのが画像左上で、昨日(つまり一年後)に3~4時間で作ったのが右上画像やアイキャッチ画像の子です。

デジチン

この間、何をやっていただろうと思い返すと……

  • 彫刻セミナーに参加して粘土造形による空間認識力や、創作の考え方を高めたり
  • 家でNSP粘土で人型や動物の造形にトライしたり(未公開品もたくさん!)
  • このブログで「NomadSculpt講座(チュートリアル)」を作ってみたり(気がつけば20本近く!)
  • 粘土の3Dスキャンや、Blender・Forgerなどの他3DCGソフトとの連携を模索してみたり。

色々と模索・回り道をしてきたなぁと思います。

ただ「遠回りこそが(私にとっての)最短の道だった」的な感覚があります。

また不定期にNomadSculpt講座を追記していくと思います。

ただ、ここまでを「NomadSculptチュートリアル」の一区切りとして、その工程をまとめることで

「ちょっとづつだけど、続けていれば、こんなカタチを作れるようになるよ」をお伝えできればと思います!

※以前のNomadSculpt講座でも「限られた機能で作品を作ってみる」をやっていますが、今回は特に縛り無しでやります!

1.何を作ろう?まずは資料集めから!

カタチをつかむために、スケッチ!

今回は(少なくとも最初は)動物のチンチラを作りたいと思っていました。

理由は去年、ノリと勢いでこの記事、冒頭のチンチラを作ったからです。

前回から結構期間が空いていたので、「今度は解像度の高いチンチラを作ろう」と考えたのです。

……となると、やはり大事なのは資料になります。

自分の場合、資料集めは写真・画像を集めることが多いのですが、今回はそれらを見ながらスケッチしてみました。

と言うのも、動物の構造……特に、小動物代表格のハムスターとモルモットとチンチラとウサギの違いがわからない、描き分けができなかったためです。

結論からいうと、ボールペンでざっくりと理解のためにスケッチを書いてみることで理解がかなり深まりました。

特にチンチラの場合は、特徴的な耳があるので、この構造がある程度掴めたことで、後の造形の迷いが少なくなったなと思います。

2.チンチラ(動物)を作ろう!

最初は球体から、「移動」と「粘土」だけでほぼカタチを作っていく

NomadSculptに移って、解説を進めて行きます!

今回は最初から表示されている球体から開始しました。

ここからしばらくの間「ストローク:移動&粘土&スムース(※基本ストロークの解説記事)」。これで大きな形を取り続けました。

とにかく視点移動を行いまくって、形をしっかり把握する

操作になれていないと、どうしても横側とか正面とか、視点を固定して作り続けてしまいがちです。

ただ、ずっと同じ視点で作っていると、その後少し角度をつけるだけで、カタチが崩れるのが立体の怖いところ!

多くの先人が本や動画で「ただでさえ、デジタル造形はディスプレイ越し(2D)なのだから、とにかく様々な角度から離れてチェック!」と言われているので、自分もグルグルまわしてチェックしています!

※視点移動の解説記事

とにかくグルグル回していろんな角度から見る!
耳や顔の作りをしますが、やっぱり大事なのはグルグルまわしてカタチを確認すること!

なんとなくチンチラの形ができてきました!

まだリメッシュを一度も行っていませんが、大分チンチラっぽい、ずんぐりむっくりした形ができてきたかなと思います。

別パーツで耳をつけ、ラフに造形を進めます。

チンチラの耳はかなり特徴的なカタチなので、耳の中をえぐって終わり!ではなく、細かく視点移動と「粘土&移動ストローク」をで少しずつ形を作っていきました。

※ワンタッチで凹ます「減算」の紹介記事

黒目を入れて完成・・・?

この段階になって、ようやく目(別パーツ)を入れました。

今まで動物を作るときに、かなり自分の記憶に頼った、記号化された動物を作っていました。

ただ、今回は写真や画像の資料を読み込んだり、スケッチをしたおかげで「意外と眉ぼねがあるな」とか「口の構造に特徴があるな」を知ることができました!

あと、骨格(Skeleton)の資料があるとわかりやすいんですが、「頭頂部分が凹んでいるな」とか「意外にマズルがあるな」あど、慣れてる(?)動物ほど一度研究し直す価値があるなぁと思いました!

3.チンチラ、二足歩行になる。

「せっかくだから二足歩行できる、獣人をつくろう」と思いつく

この段階で、「このチンチラ、擬人化できないかなぁ?」と言うアイディアが降ってきました。

チンチラは4足歩行動物なので、一時的に2本足で立つことができますが、2息歩行ができる動物ではありません。

ただ、以前読んでいた「人外デザインのコツ」と言う本の中に「極論言えば、動物を二速歩行させたら、全部獣人になる(要約)」というお話が書いてあり、魅力的なキャラクターがたくさん載っていたのを思い出し、やってみたいなぁという意欲が湧きました笑

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そんなわけで、チンチラの下半身を伸ばします。

(※下半身の伸ばし方はマスクを掛けて反転し、その後Gizimoで下に引っ張った後に、リメッシュする、といった手順を踏んでます!)

ただ、このずんぐりむっくりなチンチラという生き物を、6頭身とか8頭身とかにすると、愛嬌(?)が薄れてしまいそうだったので、3.5〜4頭身位までがちょうどいいかなぁと思って調整しました。

靴や後述のメカは「Triplanar」で作っていた様子。

そしてごめんなさい。作るのが楽しくて記録を取るの忘れていました。

ただ、作っている途中で「小動物なのに、ガテン系で、いかついメカニック、謎のガジェットで戦える」みたいな妄想が頭を駆け巡り、黙々と作っていました

とは言え、この段階でもやっている事は、粘土&移動ストロークで盛り上げて、スムーズでならして、新しい形が必要な時に「プリミティブ:TriPlanar(※解説記事)」を使う。この繰り返しを延々とやっていたかなぁと。

いつの間にか「ガッシリ」路線で進む笑

チンチラと言えば大きなしっぽが特徴ですが、ここではとりあえずチューブ機能(※解説記事で作るくらいにとどめています。

腕も「プリミティブ:シリンダー」でベースの形を追加して、「粘土&移動ストローク」で調整をしています。

いつの間にか、手や謎のメカアームが追加されていますが、ほとんど今まで書いたやり方で作っています。

(このあたりは作り込む段階で、ハードサーフェスのお作法に則ってブラッシュアップすると思います。Forger(※解説記事)を使うかも?)

メカ類や台座を追加していく。思うがまま、気が向くままにつくる!

さてさて、一通りできたました!

ので、ライティングやポストプロセスといったレンダリングに関わる部分を調整して、キャプチャを取りました。

なかなか顔の解像度が高まって良い感じかなと思ってます!

4.せっかくだからProcreateで色を塗ろう!

デシメーションであまりポリゴンをあまり減らさなかったので激重に(あとでもっと削減した)

この状態で色なし状態も結構スキですが、せっかくだから色も塗ろうと思いました!

NomadSculpt上でも頂点ペイントであれば色を塗りますが、ミニチュア塗装みたいにドライブラシっぽくやりたいと思い、イラストアプリProcreateにデータを移して塗ります!

※色塗り系の解説記事はこちら!

やり方を簡易的に説明すると、すべてのパーツを統合して、ポリゴン数を減らす、デシメーションと言う処理を行います。

その後テクスチャーを塗る面を分割してくれるUV展開と言うステップを踏む必要があります。

この時に、Nomad側で推奨値を示してくれます(伏線)。

これをきちんと守ったほうが良いです。守らないと……そもそもNomad上でUV展開ができなかったり、運良くできても、Procreate上で激重で塗装できないといった悲しいことになります。(はい、私同じことをやりました。)

ガテンというか、ポストアポカリプスな様相が醸されはじめた…!

ただ、適切なファイルサイズのデータをProcreateに読み込ませてしまえばこちらのもの!

後はゴリゴリ色を塗っていきます!

今回はお試しということで、とりあえず気の赴くままに塗ってみました。

たまにプラモを作る時があるのですが、ウェザリング加工をしすぎて「さすがにそんな汚れないでしょ」と自分でツッコミを入れちゃうくらい派手にダメージ加工をしちゃうのですが、今回もそんなノリになってしまいました。

ただこれもこれでアリかなぁと思っています!

ひっちゃかめっちゃかなUVマップ。きれいに作る方法もそのうちまとめたい。

ちなみにNomad上でUV展開してくれるものは、このような形で細切れになります。

プロの3DCGクリエイターの方だと、メチャクチャきれいにUV展開をされますが、

自分もいつか覚えたら解説記事、書きますねー!

5.(今回の出口)ProcreateのARモードで遊ぶ

3DCGの「最終アウトプット」は色々あるけど、ARで遊ぶもその1つ!

Procreateには、ARモードがあるので、ちょっと遊んでみました。

もともと、サイズ感的にはミニチュアフィギュアを想定して作っていたのですが……

「もう少し大きめサイズで3Dプリンターで出力して、もっとディティールを作っていくのもありかもなぁ……」

など新たな欲と妄想を広げていました。

ただ、キリが良いので今回はここまで!

まとめ

最後にもう一度登場してもらう!

自分がNomadSculptを使い始めた時、「iPadでZBrushみたいなことができるとは!」

と、とてもびっくりしたことを思い出しました。

ただ、今回みたいに、自分の作りたいものを、ある程度狙って作ったり、妄想の赴くままつけたしたり、といったことをするには、ある程度練習の時間が必要だったのかもなぁと思っています。

それはリアル粘土でカタチを作ったり、対象物を理解するためにスケッチしてみたり、はたまたツールを使うため、iPadやらパソコンやらを行ったり来たりしたり……色々です。

ただ、ツールの習得という意味で言うと、このメディア上で「NomadScuplptチュートリアル」をやったのは、私の理解が進みましたし、多くの方にも嬉しいことに読んでいただけて、やってよかったなと思ってます。

最終回と書きましたが、また制作日記的に記事を書くことあると思うので、その時またお会いできたらと思います!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!

追記: でじちんが使っているiPadについて

お問い合わせいただく事が多いので紹介します!自分が使っているのは2018年モデルのiPad Proと2020年モデルのiPad Airです。

両方とも少し型落ちですがサクサク動きますよ!(知り合いに初代iPad Pro - 2015年モデル - でデジタル造形している人もいます!)

おそらくApplePencilが使えるiPadなら、NomadSculptは動作するので、ぜひお試しください!(整備済み品とか、中古もありますしね。)

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追記:これを作った半年後くらいに、人型フィギュアを作りました!

ものごとの進歩は少しづつ、でも着実に積み重なって行くものなんだなと、しみじみ思いました。

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