いつもお世話になっている彫刻セミナー。今回は胸像を中心に学びを(私的に)まとめてみました。
今回の目的:
2022年に様々なセミナーを受けて、ちょっと自信がついてきた一方で、苦手分野も見えてきました。
具体的にいうと……
- 年齢の変化
- 髪の毛
- 顔の細かな表現(目元とか唇とか)
- 服装など
などです。
今回のセミナーでは、特にエイジングと髪の毛を重点的にやるとのことだったので、参加しようと思いました!
余談:彫刻セミナーが速攻で予約埋まる
実は去年の年末年始に、「2023年のGWくらいまでの案内」があったのですが……
クイックフィギュア(全身)は瞬殺、追加公演もすぐに埋まってました。
(あぁ、去年いろいろ受講できたのは結構奇跡的だったんだな……)
今回の頭部クラスも30名近く入っていたので、教室スペースをフルに使っていました!
参加したい!と思った講座は速攻で予約した方がいいですね…
今回作ろうとしたもの
毎回自分で作るものを決めるのですが、今回はマギー・スミス氏にしました!
ハリーポッターのマクゴナガル先生役としてもお馴染みですが、お若いころからオーラが違う…
(画像検索で「maggie smith vogue」などで調べると、ため息がでるレベルのモノクロ写真がいっぱい出てきます!)
一方で資料集めがなかなか大変でした!
写真サイトや過去の出演作の画像を集めるも、
若い頃=白黒映画時代なので、真正面や真横がない、あっても解像度が低いなど……。
気合いで集めました笑
予習として、クイックなど頭部を作っていた。
今回、セミナーに先立って「クイック頭部」を事前に作っていました!
理由は2つほどあります。
- いつも胸像ではなく「頭部のみ」になってしまうので、先に胸部を確保したかった(みなさんバランス感覚すごいな)
- もう一つの理由は「デカイ頭部」の割に、顔の情報量が少ないのをなんとかしたかった。(事前に顔の凹凸を把握)
100均一で買ったアルミホイルがかさ増し&軽量化に大活躍しました!
またホームセンターで買った塩ビパイプ(いろんなジョイントがある)と、パイプカッターも大きいものを作る時に活躍するなと思いました。
3日間の学びについて
まずは完成品(!?)から!
先に総括すると…
人間の顔は立体の連続!「目・鼻・口」を意識してしまうと逆に作れなくなる…。
これはわかっているつもりだったが、今回もやってしまっていた印象・・・
こういった誤り・悪い手癖は「フィードバックを受ける→自覚、理解する→アップデート」を繰り返して修正が可能とのこと。
今回かなり多くの悪い手癖の検出できましたし、その結果
顔の大きな凹凸を意識しながら作るこで「老若どちらの顔も情報量が上がる」、
髪の毛も「大きな塊を作って、徐々にディティールを攻める」ができたかなと!
他の気付き・収穫もたくさんあったので以下、書いていきます。
初日冒頭一発目に頂いた指摘!第一マズルでがち問題。
これ、本当にやりがちなので意識できるようになってよかったです…!
・単純におでこと、あごを垂直に見てどちらかが出すぎている。
・クチは鼻よりも更に奥行きがある。(あと唇部分が消失してとんがっている!)
などなど…… これは今後気をつけていきたい!
顔のパーツ単位で言えば、目の理解が格段に進んだ!
最重要要素、目周り!
今回は途中まで「うわまぶた、したまぶた」ともに1枚の皮膚!という意識で作れていたのですが、どうしても平べったくなる現象から抜け出せず時間を食いました……
眼球が球体であることは、頭では理解しているのですが、どうしても平らに作ってしまいがちです。
そんな中、片桐先生からは「目頭と目尻は、もっと手前・奥の関係だよ。今だと奥行きが無いしぺったんこ。難しいところだけどね!」と指摘&修正していただき、ハッとしました。
それくらい眼球の奥行きがあるということ!(測ってみると明らかに違う)
というわけで、
- 実際、即席の眼球を作って照らし合わせてみたところ、飛び出している部分は半分までは行かないもの、2/3くらいの勢いで球体が見えている!
- その眼球上に上まぶた、下まぶたが乗るのだから、目はすごい立体的になる…!(どうりで今まで平べったい目にしかならなかったわけだ!)
コレ、実は口の形にも同じことが言えてそうで。
というのも、唇の内側には歯がUの字に並んでいて、口元もその影響を受けるからです。
※3Dのゲームでたまに顔の内側(目と歯)が貫通して見えるちょっと怖いバグがあったりします。
あんなカタチ中に入ってるもののを意識すると、カタチの理解がだいぶ捗ることを再認識!眉骨、頬骨、眼窩とか。
これの面白いところは、一度この点に気がつくと資料を見て「あ、ちゃんと球体として飛び出ている」とわかるようになること。
こういう視点をもっと増やしていきたいなと思いました。
「今自分がどのレベルの作業をしているのか?」という意識付け
初心者にありがちなミスとして、老化を表現するのに「とりあえずシワを描いちゃう」をやっちゃう、があります。
ただ、実際のシワって
- 皮下脂肪や筋肉量の変化、それに伴う皮膚のあまり、重力に負けてで皮膚が下がる
- これらが全然足りてなかった!(だから顔の情報量が減ってしまっていた!)
そんなわけでご多分に漏れず自分もシワを描いてしまっていて、老いの表現をしていたが、先生より
「今やっているのはカタチを作っているのか?テクスチャをつけているのか?」
と指摘をいただき、またハッとします。
3DCGのデータを作るとき、テクスチャの情報はたしかに大事だけど、元のカタチが取れていないと説得力が全然違う!
(もちろんローポリモデリング等テクスチャで頑張る表現もあるけども)
「顔の情報量を上げたい」といっても私の場合は、まだカタチ自体をでやるべきことがある……
特に今回は左右で老若を作りわけするので、これらを深く理解出来る会だったなと、思いました!
まとめ
この他、たくさんの気づき・学びがあったけど一旦この辺りで!
最近は少しづつデジタル移行(実はNomadSculptチュートリアルもその一環。)を進めていますが、やっぱり粘土でカタチを作るのは楽しいです!
また一緒に参加された方との会話、交流会等で様々な創作活動のお話などを聞けて、ホント行くたびに学びがあります。
みなさま、本当にありがとうございました!
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おすすめ書籍
今回、胸像かつ「西洋人×女性×若・老」という組み合わせでしたが、
こちらの本では「人種×性別、年齢、体格、表情」といった内容がみっちり記載されています!
セミナー中は見る余裕がなかったのですが、セミナーあとに読むと知識&理解が促進されますので、オススメですー!
もちろん、片桐先生の本はマストバイ!(個人的に美術系書籍でここまで使い込んだ本は無いです)